費用・料金

給与計算を30人規模で外注する見積|費目と条件のそろえ方

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

11分
目次

30人規模の給与計算外注は、基本料金、人数加算、賞与や年末調整などの別料金を分けた見積で判断します。公式の公開料金は契約範囲と税区分が異なるため、金額の大小をそのまま比較せず、会社の作業条件を同じ欄に書き入れます(両社公式料金表、取得日2026-10-21)。

「1人当たりの単価だけで予算を組めるのか」という迷いがある場合、数える人数と月次作業の範囲を先に確定します。年途中の入退社、賞与、年末調整、再計算の扱いも、見積で差が出る項目です。

本記事では月次の費目、追加作業、30人の見積依頼書を順に確認します。外注する業務範囲を先に決めておくと、料金の対象が明確になります。

本記事で分かること

  • 基本料金と人数加算の読み方
  • 賞与・年末調整・再計算の追加条件
  • 30人規模の見積依頼書に書く情報

結論:30人規模の給与計算外注費用(早見表)

見積条件とは、対象人数、月次の成果物、追加作業、税区分を同じ定義で依頼先に伝える項目です。給与計算と手続き代行の区分も含めて、会社が必要な作業だけに印を付けます。

公開料金の例基本・人数条件月次以外税区分・出典
新潟給与計算センター基本40,000〜60,000円、5人まで基本内、超過人数×700〜1,300円賞与は原則1支払につき月次1か月分、年末調整2,500円/人から税抜、同社公式料金表、取得日2026-10-21
社会保険労務士法人東京労務基本15,000円、計算人数×1,500円、30人の人数加算45,000円賞与各1か月分、年末調整各2か月分税区分表示なし、同社公式料金表、取得日2026-10-21
自社の依頼条件在籍30人のうち計算対象、締め日賞与回数、年末調整対象、訂正見積回答に税区分を要求

この表の金額は各社が公開する条件の例であり、30人の一律料金や相場ではありません。新潟給与計算センターの基本料金は受託内容、範囲、入力項目数により増額すると注記されています。東京労務は振込処理や住民税管理などを別料金と示しています。依頼書を同じ形で渡してから、各社の回答を比べます(各公式料金表、取得日2026-10-21)。

月次給与の費目を分解する

基本料と人数加算の対象を別欄で確かめます。同じ「30人」でも、在籍人数、月内の計算人数、明細発行人数は一致しないことがあります。

対象人数の数え方

新潟給与計算センターの公開料金は基本40,000〜60,000円に従業員数×700〜1,300円を加える形式で、5人までは基本料金内とされています。いずれも税抜で、税込額も併記されています(同社公式料金表、取得日2026-10-21)。30人在籍していても、実際の加算人数をどう数えるかは見積時に確認します。月途中入社者、退職者、給与の支払がない休職者が計算人数へ入るかも尋ねます。

東京労務の公開表は基本15,000円に人数加算1,500円/人を示し、30人の人数加算を45,000円と掲げています。表に消費税の区分が表示されていないため、税込か税抜かを見積で確かめます(同社公式料金表、取得日2026-10-21)。この45,000円は人数加算欄の数値で、基本料込みの30人料金という表示ではありません。異なる料金表から一つの「標準価格」を作らず、それぞれの計算式と条件を記録します。

30人の計算対象と基本料金の範囲を分ける図
30人の計算対象と基本料金の範囲を分ける図

月次作業に含まれる帳票

新潟給与計算センターは月次の作業として、給与振込データ、住民税納付データ、給与明細、給与一覧表、部門別集計表、社会保険の負担額一覧などを挙げています(同社公式料金表、取得日2026-10-21)。ただし、個別契約でどの帳票を受け取るかは見積で確認します。帳票の名前が似ていても、振込データの作成と実際の振込実行は別の工程です。

東京労務は振込処理、住民税管理、その他資料作成などを別料金と記載します(同社公式料金表、取得日2026-10-21)。この違いがあるため、単価だけの横並びでは月次の役務が一致しません。会社は給与明細、振込用データ、賃金台帳、集計表を「必要」「不要」「既存の社内作業」の三つに分け、必要な帳票の納品形式と期限を依頼書へ書きます。賃金台帳の記載事項も照合しておきます。

給与明細と振込データの成果物を照合する図
給与明細と振込データの成果物を照合する図
月次の費目人数との関係依頼書の欄回答で見る点
基本料金事業所・受託範囲基本に含む作業最小人数と増額条件
人数加算計算対象者入退社・休職者の扱い集計月と税区分
帳票・振込帳票別の対象者納品形式と実行者追加料金と期限

追加作業の条件をそろえる

賞与、年末調整、過去月の修正は月次料金と別に尋ねます。どの作業も人数と発生回数が変わるため、年の予定を渡して見積もる方が差を説明できます。

賞与計算の扱い

新潟給与計算センターは賞与計算を原則として1支払につき月次給与計算代行サービス料金の1か月分と記載します。東京労務も賞与計算料を各1か月分としています(両社公式料金表、取得日2026-10-21)。同じ「1か月分」でも月次料金の内訳が異なるため、支払回数だけを乗じて同額だと考えません。賞与の対象者数、明細、振込データ、支払届との分担を示します。

賞与明細の発行後に金額を訂正する場合、再計算が月次と同じ扱いかも確認します。役員と従業員で支払日が違う、年内に複数回支払うなどの会社は、対象となる回を一覧にします。社会保険の賞与支払届を誰が作成・提出するかは給与の計算と別の業務なので、手続きの業務区分と合わせて確認します。

30人分の資料を渡す際には、毎月の計算対象者が固定か、入退社と休職で変わるかを過去の勤怠から確認します。公開表で基本料金に含む人数が示されていても、人数の増減をどの月から請求へ反映するかは見積回答が必要です。会社の一覧には在籍、実際の給与支払、賞与、年末調整の人数を別列で記入し、依頼先がどれを単価の対象にするかを回答してもらいます。

帳票の比較では、作成するだけの振込データと、銀行への振込処理を分けます。明細の従業員への配布、紙の郵送、部門別集計の追加も費用の対象を変えます。二社の回答が同じ「月次給与計算」と書かれていても、納品するファイル形式や会社が続ける作業が違えば、同じ条件の見積ではありません。差がある欄は金額を合計する前に質問を返します。

見積回答を比べる際には、月次の最低料金と人数加算を別行に置きます。新潟給与計算センターの料金例は5人まで基本料金内という条件ですが、東京労務の表示は計算人数ごとの加算です(各公式料金表、取得日2026-10-21)。同じ30人でも計算式が違うため、一つの単価へ換算して優劣を決めません。賞与と初期設定は発生する月が違うことも、予算表へ明記します。

会社の承認者が検算する時間も予定表へ入れ、見積の納期が支払日に間に合うか確かめます。

賞与計算の支払回数と対象者を示す図
賞与計算の支払回数と対象者を示す図

遡及・再計算の扱い

東京労務の料金表は、委託者の責による再計算が生じた場合は別途計算料を請求すると記載しています(同社公式料金表、取得日2026-10-21)。再計算の原因が勤怠の訂正、給与改定の通知漏れ、外部担当の処理修正のどれかによって、費用の扱いが変わり得ます。見積では「過去月を何か月分まで受けるか」「一人だけの訂正か一括訂正か」「締切後の受付時点」を尋ねます。

東京労務は新規給与マスター設計料として2か月分を別に掲げ、郵送費も実費としています。一方、新潟給与計算センターは新規導入費用を給与計算部分の3か月分と示します(両社公式料金表、取得日2026-10-21)。導入月だけの支出と継続月の支出は列を分けます。初期設定には社員マスタ、支給控除項目、振込先、過去の年税情報など、会社が準備する資料の確認も必要です。

遡及訂正と初期設定費用を月次から分ける図
遡及訂正と初期設定費用を月次から分ける図
追加作業公開表の記載例見積で確かめる条件会社の準備
賞与計算両社とも月次1か月分という表示支払回数、対象人数賞与額と承認日
初期設定新潟は3か月分、東京労務は2か月分計算対象の月次料金社員マスタ
再計算東京労務は委託者起因を別途請求原因、対象月、受付期限訂正履歴

30人の見積依頼書に落とす

会社の条件を一枚にまとめ、回答欄を同じ順番にします。公開料金の条件に会社を合わせるのではなく、必要な成果物と期限を先に示します。

雇用形態と締め支払

30人のうち、正社員、短時間勤務者、月中の入退社者が何人いるかを区分します。締め日と支払日が複数あるなら、それぞれの対象人数を示します。時間外、休日、深夜の集計を誰が確定するか、欠勤や休職の情報をどの形式で渡すかも重要です。料金表の「計算人数」が在籍人数なのか、支払対象人数なのか、毎月変動するかを依頼先へ同じ質問で確認します。

給与改定が年度の途中にある会社は、発効日と初回反映月を記入します。手当の新設、通勤費の変更、社会保険料の控除開始・終了も、月次の設定変更として扱うか尋ねます。見積金額の横には税区分、支払サイクル、最小人数、契約期間を並べ、月次料金と単発費用を混ぜません。人数だけ一致しても作業の前提が違えば回答額を比較できません。

30人の雇用形態と締め支払日を並べる図
30人の雇用形態と締め支払日を並べる図

手続き範囲と情報管理

給与計算に資格取得届や賞与支払届の作成・提出を含めるかは、費用と担当を分けて尋ねます。申請書の作成、提出代行、事務代理は別の業務区分です(社会保険労務士法第2条第1項、確認日2026-10-21)。会社が人事異動を知らせる方法、提出控えの返却先、届出の期限を記載すると、給与控除の開始月も照合しやすくなります。

勤怠や給与の個人データの受け渡しについては、利用する経路、アクセス権、保存期間、契約終了時の返却方法を確認します。振込データを作る人と銀行で実行する人を明確にし、最終承認を誰が行うか決めます。見積回答に範囲外の作業があるときは、その欄を空白にせず「別料金」「対応範囲外」「会社担当」のいずれかで返してもらいます。

見積依頼書の欄会社が記入する内容回答で受け取る内容差を読む軸
対象人数、雇用形態、締め日計算人数の定義基本内人数
成果物明細、振込データ、台帳含む帳票納品形式
追加作業賞与、年末調整、訂正単価、計算方法発生回数
契約税区分、開始月、受渡初期費用、支払周期継続と単発

まとめ

30人規模の外注見積では、基本料金と人数加算の計算式に加え、月次の成果物、賞与、年末調整、再計算、初期設定を区分します。公式公開料金は各社の条件付きの例であり、会社の同一条件で得た見積ではありません。税区分と作業範囲を揃え、会社側の確定作業も残します。

次に給与計算と手続き代行の区分、賃金台帳の記載事項、月次の届出を確認し、依頼書の業務欄を完成させます。

よくある質問

Q. 給与計算の月額料金に年末調整は含まれますか
公開料金の例では含まれていません。新潟給与計算センターは年末調整関連業務を従業員人数×2,500円から、東京労務は年末調整処理料を各2か月分と記載しています(各公式料金表、取得日2026-10-21)。委託契約によって範囲が変わるため、対象者、申告書確認、計算、源泉徴収票の作成を月額と別欄で確かめます。
Q. 30人規模の見積で人数はどう数えますか
在籍30人という総数だけでなく、月ごとの給与計算対象、賞与対象、年末調整対象を分けて示します。新潟給与計算センターは5人まで基本料金内、東京労務は人数加算1,500円/人という表示です(両社公式料金表、取得日2026-10-21)。月中の入退社者や無給の休職者をどう数えるかは公開表だけで決められないため、同じ条件で各依頼先に確認します。
Q. 外注見積の条件はどうそろえますか
人数、雇用形態、締め支払日、月次の成果物、賞与回数、年末調整、訂正、税区分を一枚の依頼書にします。各社の公開料金は対象作業が異なるため、回答には含む業務と別料金の業務を明記してもらいます(新潟給与計算センター・東京労務の各公式料金表、取得日2026-10-21)。初期費用と月額を分け、支払サイクルも確認します。

出典

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